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税制改正大綱

先週の木曜に平成19年度税制改正大綱が発表されました。

今回は特に大きなサプライズは無かったように思います。

特殊支配同族会社の凍結論も出ていましたが、
適用除外の所得要件を800万→1600万に引き上げることで、
大幅に適用対象企業は減ることでしょう。
(凍結して欲しいものですが)

減価償却の残存価額の廃止、これは結構インパクトありそうですね。
これまでは処分するまでは取得価額の5%を残さなければいけなかったわけですが、
来年の4/1以後取得分については、1円だけ残せばいいことになります。

「でも5%だけでしょ。大したことないじゃん。」

いえいえ。
これまでは、
法定耐用年数の期間で90%償却し、さらに5%償却できるという制度でした。
したがって、耐用年数4年だと、大体5年かけて95%費用化していたのです。

これが、4年間でほぼ100%費用化できます。

ちなみに100万円の資産を期首に買った場合、
従来の方法だと(定率法の場合)
100万円×0.438=43万8千円が初年度の減価償却費。
しかし、今度の改正で、250%定率法という耳慣れない方法が採用されます。
これは、定額法の償却率×2.5の償却率で償却するという方法。
これだと
100万円×0.25(定額法の償却率)×2.5=62万5千円。

なんと初年度で18万7千円も多く償却できるのです。

このインパクトは、結構大きいのではないでしょうか。

☆今日のポイント
平成19年3月31日までに取得した減価償却資産は、今までのやり方。
4月1日以後取得した減価償却資産は、新しいやり方。
1日違うだけで、費用化できる期間が全然異なります。
こうした改正を知っているかいないかで、経営判断も異なってくるのです。

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コメント (3)

大変有益な情報をありがとうございます。

大きな額の減価償却資産は、あと100日ちょっと待たれよと云うことですね。

で、これまでの定率から250%定率にするには、やはり手続きが必要なんでしょうか?

棚卸資産などは計上方法を変えるのに手続きが要りますよね。
小社は現在売価還元方式なのですが、税理士の先生からは原価方式に変えた方がよい・・・と言われています。
毎月棚卸をしているのですが、原価方式ではかなり手間がかかり面倒です。

減価償却の新方式では、面倒なことはないのでしょうか?

質問ばかりですみません

>横丁の靴や様
棚卸については、個別の要素が強いので何ともいえませんねぇ。
ま、月次は売価で、決算だけ原価、という方法もあるかもしれませんが・・・。
250%定率法は新たな方法ではなく、
H19/4/1以後取得のものについては、
定率法であれば自動的に250%定率法になるようです。
したがって、
同じ耐用年数でも取得時期によって、償却率が異なることとなるようですね。

税理士Kさま、おはようございます。

早速のご返答、誠にありがとうございます。
定率法の場合、来年度以降、自動的に250%になるということですね。

わかりやすい解説、ありがとうございました。

年末、お忙しいとは思いますが、あまりご無理をなさらず、ご自愛ください。

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2006年12月18日 16:15に投稿されたエントリーのページです。

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